坂道
僅か800字前後の世界に引き込まれる。主婦である時、4児の母である時、そして両親を想う娘である時…。著者はそれぞれの想いで桝目を埋めた。誰もが通り過ぎる一日一日の生活の中、ちょっと色を添えた優しい風景がここにある。タイトルにもなった「坂道」を読んでみる。なにか穏やかな気持ちになる。そして忘れかけていたものを見つけた気持ちになれる。
デクノボー
著者は22歳。これから社会を経験する。社会人デビューを前に、今の自分をカタチに残す一冊。言わば「所信表明」のようなものか。宮澤賢治を慕うも試行錯誤の毎日。人と話そう、人と出会おう、人と触れ合おう。アルバイト、ボランティア、スポーツ、芸術、武道を通じ、体で感じたことに嘘はない。「強く、温かく…。」一人の青年の信念はどこか心地よい。きっとうまくやれる。そしていつの日にかこんな自分もいたんだと振り返る手記になればと思う。一歩一歩を大切に生きる青年の、心の成長を綴った一冊。
