ささやかな慰藉
北海道放送在職中、数々のラジオドラマ、テレビドラマ、舞台等を手掛けた著者が、今までに書き続けた作品を辿り、対面することで、久々の慰藉がそこにあった。これまで小説を書き、ドラマを創ったように、著者がひとり自分の時間に籠ることで生まれた一冊。
夢を追う
中学校の教師だった著者は、毎晩仕事が終わると葛西鮎三のペンネームで小説を書いていた。東京から北海道に渡り、夢を追いながらも堅実に戦争を生きた。そんな著者の人柄がよみがえる一冊である。本書は、著者の七回忌に家族の手で発刊された。短編2作品と切り絵やスナップ写真を一冊の本にまとめたもの。人は他の人の心の中で永遠に生きていく。著者は今もなお葛西鮎三の作品の中で、そして多くの人の中で生きているに違いない。